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生産緑地

 大都市地域を中心として宅地需給のひっ迫状況への対処として、大都市の市街化区域にある農地(市街化区域農地)の積極的活用による宅地供給の促進と都市の良好な生活環境を確保するために、平成3年9月に改正生産緑地法が施行されました。
 生産緑地は、都市計画法(法第8条第1項第14号)に基づく地域区域の一つであり、公害や災害の防止等に効用があり、かつ公園・緑地等の公共施設用地として適する500㎡以上の区域を区が指定している。指定後は原則30年間、所有者は農地としての管理が義務付けられ、その他の利用が制限される。
 なお、市街化区域内農地は宅地並み課税となるが、税制上の措置として生産録地は農地としての課税となる。

生産緑地の買取価格

 生産緑地の買取は「時価」でなされます。それでは、「時価」とは、いったいいかなる基準で決まるのでしょうか。
 「時価」とは、不動産鑑定士、公官署等の公正な鑑定評価を経た近隣地の正常な取引価格や公示価格を考慮して算出された金額をいいます。
 もともと、生産緑地の買取制度は、生産緑地の所有者に対する権利救済として設けられたものですから、その買取価格たる時価は、生産緑地法の各種の制限が付された土地としての評価額ではなく、市街化区域内にある農地(宅地見込地)としての評価によるべきとされています。
 ただそうなると、買取側である市長等は大変な支出を強いられることになります。現実には、市長等が税金により広大な生産緑地を宅地並みの価格で買い取ることは困難と思われ、買取がなされないまま生産緑地指定が解除されるケースが多いようです。
 なお、実際に時価がいくらに成るかについては、買い取る者と生産緑地の所有者が協議して定める子とになつ定ます。もし、協議がまとまらない場合には、収用委員会に裁決を申請することができ、その裁決により時価が決定されることになります。

農業の主たる従事者とは


 農業の主たる従事者が死亡し、又は、農業に従事することが不可能になったときには、生産緑地の買取請求が認められていますが、農業の「主たる従事者」とは一体誰を指すのでしょうか。
 「主たる従事者」とは、農業に専業従事する物はもちろんのこと、兼業で従事する者であっても、その者が従事することができなくなったために農業経営が客観的に不可能となるような場合におけるその者も含まれ、世帯主に限定されるものではありません。
 また、農業は家族経営で行われることも多い事から、主たる農業従事者と供に,一定割合以上農業に従事している者、具体的には、

□ 主たる従事者が65歳未満の場合、その従事日数の8割以上従事する者
□ 主たる従事者が65歳以上の場合、その日数の7割以上従事する者も、「主たる従事者」に含まれるものとされます。

 「主たる従事者」に該当するか否か、「一定割合以上農業に従事している者」に該当するか否かは、市長が判断します。そして、買取申出の際には、個々の従事者の従事日数を把握するため、農業委員会の証明書を添付することになっており、市長の判断が客観的なものとなるよう配慮されています。
 買取申出の事例では相続税の更正処分に対する取消請求訴訟において「主たる従事者」の解釈が問題とたなって事例(名古屋地裁平成13年7月16日判決、判夕1091-224) 上記判例においては、「主たる従事者」の判断基準についき、その者の死亡により、所有者となった相続人が質的又は量的に従前と異なる新た負担を余儀なくされるような場合には、当該被相続人は「主たる従事者」に該当すべきであると判断した上、この新たな負担とは単に労働力の提供という要素もみに限定されるべきではない、資本その他の経営面における要素を総合考慮すべきあると判示しました。
 事例は異なるものの、数少ないの判断だけに、参考になるものと思われます。

生産緑地の買取申出制度

 生産緑地の買取申出制度につて、手続の流れについて説明します。
 生産緑地に指定は去れたものの、その後の事情の変化により生産緑地の指定を解除して欲しい場合が生じます。
 たとえば、相続が発生した場合において、農業を承継する方がいないくなってしまった場合や、相続納税付のため当該農地を処分したい場合などが考えられます。しかし、生産緑地のままでは、所有者の移転は可能であるものの開発行為が規制されているため、現実には極めて困難といえます。
 そこで、次のような場合、土地の所有者は、市町村長に対して、生産緑地を時価で買取るよう申しでることができます。

□ 生産緑地地区に指定されてから30年を経過したとき
□ 農業の主たる従事者が死亡し、又は、農業に従事することが不可能になったとき

 生産緑地は税制面において多大な恩恵が受けられ一方、緑地保全という機能に監み、その指定解除については、このように厳しい要件が付されています。

 買取申出を受けた市町村長は、当該生産緑地の買取を希望する地方公共団体等のうちから買取の相手方を定めることができ、そうでなければ、特別の事情がない限り、当該生産緑地を時価で買い取ることとなります。

 市町村長は相手方を定めた場合を除き、買取申出があった日から1ヶ月以内に、買取る旨又は買取らない旨を土地所有者に通知しなければなりません。

 市町村長が当該生産緑地を買い取らない場合、当該生産緑地において農業をすることを来希望する者がこれを取得できるよう斡旋することに努めなければなりません。

 市長村長のあっせんにもかかわらず、買取申出から3ヶ月以内に斡旋がまとまらなかった場合には、生産緑地による各種行為制限が解除されます。

 市町村長の斡旋にもかかわらず、買取申出から三ヶ月以内には決着がつくことになっており、生産緑地指定により私権の制限を受ける土地の所有者の権利保護に配慮した制度となっています。

 生産緑地は30年営農・相続税納税猶予は死ぬまで(営農義務)
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